- ひとことでLinux カーネルでプログラムを読み込む処理の誤りから、権限を奪われる弱点
- 深刻度7.8 重要CVSS v3.1
- まずやることカーネルが修正を含む版か確認する
基本情報(データから表示)
| CVE番号 | CVE-2017-1000253 |
|---|---|
| 製品 | Linux Kernel |
| 深刻度(CVSS) | 7.8 重要CVSS v3.1 NVD による評価 詳細(ベクター)CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
| KEVへの追加日 | 2024-09-09 |
| 米国政府機関の対応期限 | 2024-09-30 |
| ランサムウェアでの悪用 | 悪用が確認されている |
| 弱点の種類(CWE) | CWE-119(メモリバッファの範囲の制限の不備) |
何が起きた
Linux カーネルの、PIE(読み込む場所を毎回変えられる形式のプログラム)をメモリに読み込む処理 load_elf_binary() に、プログラムの置き場所の計算を誤り、スタック(作業用のメモリ)との間のすき間に重なってしまう弱点が見つかり、実際に悪用が確認されています。ランサムウェアでの悪用も知られています。NVD の評価では、対象の機器上で、一般利用者程度の権限を持つ攻撃者が悪用でき、権限を高められるおそれがあります。Red Hat の説明では、特権で動く PIE のプログラム(SUID のプログラムなど)を使える権限のない利用者が、権限を高めるのに悪用できるおそれがあります。
攻撃の流れ
データをもとに、AIを使用して作成した図です。実際の攻撃は、これと異なる場合があります。
誰が影響を受ける
この修正(a87938b2e246b81b4fb713edb371a9fa3c5c3c86)を取り込んでいない、長期サポート版のカーネルを使う Linux のディストリビューションが対象です。修正は 2015 年に行われ、Linux 3.10.77 にも取り込まれていますが、当時は安全上の問題と認識されていませんでした。Red Hat Enterprise Linux などでも更新が出ています。
何をすればいい
使っている Linux のディストリビューションが出しているカーネルの更新を適用してください。Red Hat の場合は RHSA-2017:2793 などの更新があり、反映には再起動が必要です。公式の案内(各ディストリビューションのセキュリティ情報)を確認してください。
やることチェックリスト
- カーネルが修正を含む版か確認する
- ディストリビューションのカーネル更新を適用する
- 更新後にサーバーを再起動する
用語メモ
- PIE
- メモリのどこに置いても動くように作られたプログラムの形式です。読み込む場所を毎回変えて、攻撃をしにくくするのに使われます。
- スタック
- プログラムが動くときに、一時的なデータを置いておくメモリの場所です。
- SUID
- 実行した人ではなく、ファイルの持ち主(管理者など)の権限で動くように設定されたプログラムの仕組みです。
次に読む
公式情報と元データ
公式情報
- メーカー等の情報(git.kernel.org)
- 公式の対策の出典(cveawg.mitre.org)
- 公式の対策の出典(access.redhat.com)
- 公式の対策の出典(access.redhat.com)
- NVD(米国の脆弱性データベース)
- CISA KEV カタログ
元データ(英語・CISA KEV より)を開く
Linux Kernel PIE Stack Buffer Corruption Vulnerability
概要
Linux kernel contains a position-independent executable (PIE) stack buffer corruption vulnerability in load_elf_ binary() that allows a local attacker to escalate privileges.
推奨対応
Apply mitigations per vendor instructions or discontinue use of the product if mitigations are unavailable.
この元データの出どころ: CISA KEV カタログで見る